すらぼ日記

MTGやポケモンの備忘録です

エルドレインの森で気になったカード

エルドレインの森のフルスポが公開されたので
個人的に使ってみたいカードを挙げていきます。

誤:活躍しそうなカード
正:気になったカード

なので注意

 

 

有角の湖鯨

前エルドレインで優秀だった"厚かましい借り手"を調整したようなカード。
バウンス能力は対象やタイミングが限定されるようになった代わりに、バウンス先は強力になりました。
借り手のように出来事を撃った次ターン即生物展開はできませんが、長期戦上等のコントロールデッキではこちらの方が好まれる性能じゃないでしょうか。

ウーラの寺院の探索を使っている都合上、生物カウントできて除去に使えるカードは全部チェックしてるのでこれは集めておきたい。

 

騎馬面の悪ふざけ

私はシミックカラーのデッキが好きなのですが、除去が不足しアグロが辛いのが青緑の常。
そんな中で全体除去のように使えるこれにはちょっと期待。

これの本質は一枚で複数のエンチャントを出せることなので、エンチャント数参照のカードと組み合わせるのがよいのでしょうが。

 

開花の亀

フィルターランドが2マナランドになるとか
溶岩爪の辺境を無限パンプを使えるようになるとか
ニクソスやミシュランが使いやすくなるとかの多機能亀さん。

私はランプ脳なのでギャレンブリグ城と組ませたい。廃墟の地を使いまわしてランデスするのもいいかも。

 

木苺の使い魔

出来事スペルは"八百長試合"で踏み倒せるので、マナクリに使いつつ八百長の当たり枠になれるこいつは有望株。

 

一巻の終わり

特定クリーチャーを核にしてるコンボデッキに撃ちたいですね。
これをパルヘリオンシュートの脂牙に撃てたらもうエルドレインの森を90%堪能したと思っていいや。

アリーナのエクスプローラーだと紙やMOのパイオニアの非じゃないくらい見るので脂牙デッキ……。

 

もつれる群体

ファイレクシアの抹消者&格闘デッキは抹消者以外にとって格闘除去が単に使いにくい除去でしかない問題がありましたが、こいつのおかげで少し状況が改善されました。

 

トーテンタンズの歌

死の門の悪魔を称えよ。

オーメンダールを称えよ。

群れネズミを称えよ。

 

菓子の復習の夜

食物デッキの"最高工匠卿、ウルザ"

全然違う?あ はい……。

 

氷冠のヒル

今まで定番だったタップ系こおりタイプカード達に時間稼ぎ以上の意義を与えてくれるカード。
マナ食い虫なことや自力でタップできないことがネック。

こういうカードに氷雪のカードタイプがついてくれたらなあ。

 

眠らずの蔓茎

イラストが美しい……。

"世界を揺るがす者、ニッサ"で殴らせて、味方のハイドラを強化させようと思ってます。

 

 

おまけ イラスト賞

水生まれの錬金術

カワイイ

 

君たちはどう生きるか 感想

スタジオジブリ最新作、君たちはどう生きるかを見てきました。
ネタバレ有で感想を書いていきます。
当然既に見た方向け。

映画情報の事前公開を徹底的に絞っていた本作。
我々に与えられたのはタイトルと謎の鳥(?)の眼光のみ。

Twitterという、眞人くんが悪意の籠った石を積み上げてしまった世界の住人達の手にかかり、腐るほど流れてくる謎バードパロディ絵に印象を汚染される私。

映画のジャンルすら不明な中で、もはやジブリ映画ではなくTwitter大喜利の延長を観に行く感覚だった私の前に繰り広げらたのは……


よかったジブリだ。
ジブリ映画を見に行ったのに、いかにもジブリなキャラデザの人間が登場して安心するとはこれいかに。

全体の印象としては、寝落ち間際の人間の脳内…夢と空想の入り混じった状態を映画にして120分にまとめたもの。夢なので気を抜くとどんどん世界観が切り替わる。

映画タイトルのせいで2時間全力で説教されるみたいなイメージを抱いていましたが、むしろその逆で宮崎駿監督の趣味全振りって感じ。

紅の豚千と千尋の神隠しハウルの動く城で味付けしたみたいな…趣味といっても紅の豚みたいなハードボイルドや機械趣味ではなく、母親ラブの方なんですが。

宮崎駿監督が母親の少女時代を見てみたいと発言したことがある」と又聞きで聞いたことがあるんですけど、これ本当なんですかね?
本当だったとしたら、それを映画に詰め込んだのが本作だと思う。

そのトカゲは放漫であった 新セット注目カードについてだべりたい

 

古の放漫トカゲ

4月21日発売予定"機械兵団の進軍"のカードが続々と公開され始めました。

新タイプ:バトルなど気になるカードはたくさんありますが、その中でもティミー的に見逃せないこのカードを紹介。
(正直このタイトルをやりたかっただけなのは否めない。)

過去に活躍した類似カードはこちら

 

古の放漫トカゲはこの2枚の合いの子といった性能。

召喚マナを全て召集で賄うことができたなら20/20&トランプル&護法持ち。爆発力は随一の一枚。

ただその爆発力と引き換えに、上記の2枚と比べ即座に除去された際は大きくテンポ損する性能となっています。
ロクソドンは除去されたとしても招集元への強化が残りますし、ガルタのコスト軽減能力はクリーチャーのタップが不要なため、ロクソドンや放漫トカゲのように攻撃の手を止める必要がありません。
護法能力こそ持ち合わせているものの、その追加要求マナは2と最低限。可能な限り早いターンにプレイしない限り除去耐性は無いものと考えていいでしょう。

この欠点が構築戦でどこまで響くか。

1ターン目から積極的にカードを並べていくような部族デッキの隠し味として使えますかね…順当に考えるとエルフ、私の趣味で考えるとファンガス&苗木デッキのような…

 

それと完ッ全に余談なのですが、私は部族デッキに相性の良さから投入される、その部族を持たない大型クリーチャーカード…もっと言うとモダン以下のエルフデッキにでの孔蹄のビヒモスなんかが好きなんですよね。
多分これは遊戯王のハーピィズペットドラゴンに影響を受けていて…小型生物が大型のモンスターを従えてる構図がお気に入りというか。

 

果たして古の放漫トカゲは、今後ウィニー・アグロデッキのハーピィズペットドラゴンになれるでしょうか。

2023年verウーラの寺院の探索デッキ(リバイアサンクエスト)

みなさ~ん 海のデッカいクリーチャー達は好きですか~?

もちろん大好きだよね~?

モダンフォーマットにおける《ウーラの寺院の探索》デッキ(別名:リバイアサンエスト)について、ここ最近のカードを加味して紹介されているサイトが少ないように感じました。

なので私の考える2023年仕様のリバイアサンエストを記事に残そうと思います。(記事投稿時点で発売前のセット:完全なる統一のカードも考慮して書かれています。)

ウーラの寺院の探索デッキとは

その名の通り《ウーラの寺院の探索》の踏み倒し能力を核にしたデッキ。

デッキから極限まで土地を削り、生物の割合を増やし、早急な海産物踏み倒しを狙っていくデッキです。

デッキの構成パーツは(それらのパーツをなるべく生物に寄せた上で)以下の通り。

・土地
・山札の上を操作する呪文
・防御用カード
・寺院のカウンター増加カード
・踏み倒し先の海産物

 

この図は何年も前から存在したベーシックな青単タイプ

1ターン目にウーラの寺院の探索を設置、
2ターン目に《フェアリーの予見者》《エピティアの賢者》などでデッキトップを操作し、寺院の上に探索カウンターが3つ乗るのを目指します。

上記のカード以外にも、ETBで占術を行える軽量生物は多数存在します。

それらを使い4ターン目から確実に踏み倒しをスタートさせるのが従来の寺院デッキでした。

ただ、私は現代モダンにおいて踏み倒し開始が4ターン目なのは正直遅く、相手にかかる圧が足りないと考えています。

エスト達成を早める《時計回し》も採用されていましたが、《時計回し》は非生物なので後から引くと寺院のクエスト達成に貢献できず、安定感のないカードでした。

 

上記の軸をベースに、近年登場した相性の良いカード達を(予算度外視で)加えたリバイアサンエストがこちら。

赤枠で囲った《腐れ花》は発売前カード。MOのキャプにコラしたもの。

◎土地 13枚(《玻璃池のミミック》の裏面を入れると16枚)

4 繁殖池
1 森
1 ハリマーの深み
3 島
4 霧深い雨林

◎クリーチャー 39枚

4 フェアリーの予見者
4 審判官の使い魔
4 花粉光のドルイド
4 腐れ花
3 玻璃池のミミック
2 緻密
2 船砕きの怪物
4 シミックの空呑み
4 嵐潮のリバイアサン
4 墨溜まりのリバイアサン
4 ゴロゾス

◎その他スペル 8枚

4 ウーラの寺院の探索
2 血清の粉末
2 否定の力

〇サイドボード 15枚

3 激浪の形成士
2 厚かましい借り手
2 船団の災い魔
2 忍耐
2 星界の大蛇、コーマ
2 機能不全ダニ
2 呪文滑り

 

比較

「デッキトップ操作カードの枚数を最低限に抑え、増殖クリーチャーの力で3ターン目にクエスト達成を目指す」
が従来型とのコンセプトの違いになります。

数年前と現代のカードプールの変化について、主な違いは以下の2点。

①低マナで増殖を行えるクリーチャーの増加

②優秀なピッチスペルの登場

まず①について

3度目のラヴニカ再訪、そして最新セット:完全なる統一で増殖持ちの低マナ生物が登場。
彼らは《時計回し》と違い、後から引いても寺院の動きを阻害しない理想的なカウンター増加カードです。

 

 

そして②のピッチスペルについて

初代モダンホライゾン&モダンホライゾン2で収録され、モダンのカードパワーを一気に引き上げた面々。

その中でも《緻密》《忍耐》はクリーチャーカードであると同時に、防御にマナを回す余裕がない寺院デッキの隙をカバーしてくれます。

 

《否定の力》は非生物呪文なので後引きした場合が弱く、あまり頼りたくないカードではあるのですが、寺院デッキにとって致命的な初手ハンデスや置物破壊に対応するため採用。

逆に、《ウーラの寺院の探索》をこれで打ち消された時はスッパリ諦めましょう。

ウーラ寺院道は1ターン目に死ぬか生きるかの世界なのです。

 

非生物呪文を極力減らし、デッキトップ操作カードに頼らずとも寺院のクエストを進め、その分単体で腐り難いカードを加えたのが2023年の寺院デッキとなります。

 

踏み倒し先の海産物たち

このデッキの主役、リバイアサンやその他の海産物部族。
エスト達成時点で最低2枚は手札に確保したいところ。

昔ながらの定番枠

・除去耐性と回避能力を併せ持つ《墨溜まりのリバイアサン》《シミックの空呑み》
・墨溜まりをサーチできる《ゴロゾス》
・1枚で相手を制圧できる可能性を持った《嵐潮のリバイアサン

に加えてあとはお好みで。

・盤面を押し返すことのできる《船団の災い魔》(土地にファストランドを採用せず《繁殖池》が多い理由の一つはこのカード:)
・近年の海産物の中では相性が比較的よく、除去されなかった際のリターンが大きい星界の大蛇、コーマ》《船砕きの怪物》

辺りが候補でしょうか。

 

上記以外の採用候補カード

・予見のスフィンクス

初手にさえ引ければマナを使わずクエスト達成をサポートしてくれます。

4マナを払って唱えることが本デッキでは難しいので、ゲームが始まった後は手札コストくらいしか使えないのがネックか。

下記のカードを採用したシビアな初手が求められるデッキでは優先的に採用してもいいかなと思います。

 

・時計回し&渇き根

「時計回しは非生物なので安定しない」と上で述べたのですが、同じく1マナでカウンターを増やせるカードが登場し、8枚耐性で臨めるようになりました。これなら話は別かも。

1ターン目に寺院設置→次のアップキープ・デッキトップ公開は生物だったうえで《時計回し》《渇き根》を2連打できれば2ターン目に踏み倒しがスタートできます。理論上は。

元から博打デッキなんだからこのくらいやらねえと面白くねえぜ!って人はぜひ。

 

・忍者セット

 

かつて私が「低マナ飛行生物を複数採用するのなら忍術と組む余地があるのでは?」という胡乱な考えのもと、組んでみたはいいが爆死したデッキが寺院&ニンジャ

MTGとはドローだ、ドローあるのみ。
・ニンジャのドロー力でピッチスペルのコストを確保することでき、デッキパワーは実際100倍になる
・クエスト達成したはいいけど肝心の海産物が引けない問題もニンジャドローで解決

これらに賛同できる方がいたら私の後を継いでほしい。

 

最後に

ここまで話してアレですが、採用カードは個々人の趣味で従来型に戻してもよいと思います。

安定性においては青単タイプが勝る面もありますし、何より安い!

リバイアサンエストは何度もマリガンを乗り越えようやく手にした寺院を、ハンデスや否定の力であっさり弾かれ実質1ターンキルされるのが日常茶飯事。安定性とは程遠いデッキです。

ですが、マイナーデッキだから、安価デッキだからといってせっかく登場した新しいカードに目を向けず、デッキの改善を考えないのが私は嫌だったので本記事を投稿しました。

上記のカード以外にも、採用できそうなカードや組み合わせたら面白そうなコンセプトがあったら教えていただけると嬉しいです。

 

ここまで読んでくださりありがとうございました。

 

次期スタンで活躍できる新カード=鏡割りと相性のいいカード説

「既に実績のあるカードと相性いいならそりゃ強いじゃろ」という安易な考えのもと、既存デッキに入るかどうかは無視して、強カードと相性のいい新カードを探してみようのコーナー。(多分今回限り)

 

第一回は《鏡割りの寓話》編。

コイツと相性のよさそうな新カードをピックアップしていこう。

MTG自体と相性がいいとすら言われる現スタン代表カード。

 

エスパーミッドレンジやアゾリウス兵士などこのカードを使用しない強デッキも多く存在はするが、下環境でもよく見る奴ということで。

 

 

気まぐれな厄介者

 

まず一枚目は墓地のカードを踏み倒せるこのドラゴン。

一つ目のコスト軽減能力は一旦無視し、必要最低限のカードのみ墓地に送り、踏み倒しのランダム性を極力排除するのがよいと感じる。

そうなるとネックなのがコストの重さだが《鏡割りの寓話》はゴブリン・トークンがマナ源を用意してくれる上に、踏み倒したい手札のカードを2章で墓地に送ることも可能。

《気まぐれな厄介者》は伝説ではないため、寓話裏面の能力でコピーしてもよい。

なんなら踏み倒すカードは(相手に除去された)《鏡割りの寓話》自身でも十分強力だ。

 

 

電位の負荷

英雄譚は伝承カウンターの数によってそれぞれ能力が誘発するため、各ターンを待たずとも増殖能力で先の章へ進めることができる。

《鏡割りの寓話》3章は能力が強力な分、到達にかかる時間と召喚酔いがネックだったが《電位の負荷》でその問題は解決する。

増殖能力を持つ新カードは多数存在するが、その中でもインスタントかつ寓話と同色、そして腐り難い火力呪文のこのカードをチョイスした。

 

 

栄光のドミヌス、モンドラク

 

1章のゴブリン及び宝物トークン、そして3章のコピートークンが倍になるのはシンプルながら強力。

モンドラクが破壊不能を得るために必要な生け贄は生物のみならず、アーティファクトでも大丈夫なため宝物トークンを捧げる機会もあるだろう。

 

鉱炉と前線の剣

鏡割りにとって都合のいい相手、ではなく新カードの欠点をカバーするという視点でこの《鉱炉と前線の剣》を紹介。

装備コスト、そして誘発型能力でめくったカードを唱えるのに宝物トークンが役に立つ。

装備品はあるが装備クリーチャーが存在しない…という問題も生物を2体盤面に送り出せる《鏡割りの寓話》ならある程度カバー可能。

 

 

再誕槽

これに限らず、アーティファクトが出るか墓地に置かれることで誘発するカードは《鏡割りの寓話》と相性がいい。

墓地からの踏み倒し先が供給できる点も《気まぐれな厄介者》と同様。

《鏡割りの寓話》より先出しが求められるという点がネックではあるが、1マナのカードである以上仕方ないか。

 

 

 

《鏡割りの寓話》は起動や誘発に生物/アーティファクトが必要なカード、マナのかかるカード、カウンターを弄るカード、墓地やトークンを利用するカードなどなどなど……相性のいいカードが多すぎるという今更な事実を再確認するだけになった気がしないでもない。

 

新カードの力を取り込んだ寓話が今後も駆け抜けるのか

新カード不要ッ既存カードがあればいいっ状態になってしまうのか

どちらに転ぶかは未知数だが、私はとりあえず新カードと組み合わせる方向で楽しんでいこうと思う。

ワイルドカードを切ればどんな高価なカードも手に入るMTGアリーナに感謝。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歴代マスティコアについて思い出語り&新セット注目カードについてだべりたい

アージェンタムのマスティコア

先制攻撃、プロテクション(多色)

あなたのアップキープの開始時に、あなたがカードを1枚捨てないかぎり、アージェンタムのマスティコアを生け贄に捧げる。これによりあなたがカードを1枚を捨てたとき、対戦相手がコントロールしていてマナ総量がその捨てられたカードのマナ総量以下であり土地でないパーマネント1つを対象とする。それを破壊する。


何年かに一度、思い出したかのように登場するマスティコアシリーズもついに6枚目だ。

 

この《アージェンタムのマスティコア》について話すのは後回しにし、歴代マスティコアの思い出を語っていこうと思う。


マスティコア

私はコロコロコミックに掲載されていた漫画「デュエル・マスターズ」で初めてMTGに触れた。

四天衆・黄昏ミミの切り札として登場したこのカードは、再生能力を字面通り墓地から蘇る能力だと勘違いしていた私を大いに絶望させた。

マスティコアが劇中で暴れられたのは主人公に泳がされていたわずか1ターンだったが、《神の怒り》による除去シーンは「かつての強敵の技を主人公が使う」構図であり当時は興奮したものだ。(今読み返すと除去コンにひたすら生物を捌かれるミミちゃんが気の毒に見える。)

実際にMTGをプレイし始めたのは漫画を手に取った日からしばらく経った後の話。

漫画で強く印象に残っていたマスティコアを私は欲しくなった…が、当時はどのセットに彼が収録されていたかを知らなかったし、そもそも私がMTGを始めた頃には地元のおもちゃ屋からウルザブロックが既に消えていたように思う。

大人になり、Penny Dreadful(非公式フォーマット Magic Online上で開催され安価カードのみ使用できる)でマスティコアのデッキを組んでみたが、マナと手札食い虫な彼をカバーできるカードが私には探し出せず使いこなせなかった。

《ギラプールの宇宙儀》等でサポートしようと試みたのだが、イマイチまとまりのあるデッキになれなかった。


剃刀毛のマスティコア

マスティコアシリーズ2代目

私の小学生時代のトラウマの1枚。

友人が引き当てたコイツを見て、憧れのカードに派生種がいたのを知り友人以上に昂っていた記憶がある。

だがその興奮は実際のゲームで剃刀毛を相手にして瞬く間に姿を消すことになる。

剃刀毛のマスティコアが私にとって脅威だった要因は以下の三点で

①当時の私のデッキ(フォーマット:おもちゃ屋に存在したセット全て使用可MTG)には《風のドレイク》などの小型生物が多かった。

②除去カードをあまり入手できなかった私は生物の対処を《脱水》のようなアンタップ阻害カードに頼っていた。

これでは剃刀毛の攻撃は止められても3点火力に怯えることは変わらない。

③私の地元ルールではクリーチャーに与えられたダメージがターンを跨いでも消滅しない、また手札が0でもドローしたカードをマスティコア維持に充てられる(アップキープのタイミングをよくわかっていなかった)等、マスティコア優位のやり方が多かった。

これによりタフネス4以上も除去可能&自壊しない最強剃刀毛が誕生していたのだ。

剃刀毛は先制攻撃持ちなため、チャンプブロックと地元ダメージルールの併用で倒すのも難しい。

バニラの《シルバーバック》や《針刺しワーム》ですら出されたら辛い小学生環境において、除去内蔵のこのカードはまさに頂点捕食者だった。


溶鉄の尾のマスティコア

3代目。絵はともかく効果は初代の面影が剃刀毛より残っている。

このカードが登場した時期(2010年)の私はMTG引退状態で、復帰するとも思っていなかった。

偶々存在を知ったこのカードを見て「へーアイツ(剃刀毛)にも後輩ができたんだ」と謎の上から目線をかましていたことだけは覚えている。

イオニアでこのカードを使えたならと思うが、除去能力がマナだけで起動できるならまだしも墓地の生物追放まで必要なのは流石に厳しいか。


小型マスティコア

4代目。過去カードのオマージュが多いモダンホライゾンより。

カードパワーの高さが波紋を呼んだセット、モダンホライゾンにて登場した9年ぶりのマスティコア。

小型の名が示す通り、マナコスト・手札コスト・サイズ・除去効率どれもミニサイズになっている。

ただそれでカードのスペックが下がったかというとそうではなく、再生の代わりに手に入れた除去耐性「頑強」と、低マナコストのおかげで無限頑強デッキのキーパーツになれる。

手札コストがプレイ時の1枚だけで済むようになった点が地味に好き。

メリット能力だけを複数詰め込んだクリーチャーが当たり前の現代MTGでは、多少強い能力を持っているからといって毎ターン1枚の手札を要求されるのは正直割に合わない。

デメリット能力をも小型化させたこの小型マスティコアは、初代の面影を残しつつカードパワーを現代風にリメイクさせる点においてちょうどいい塩梅のカードだと思う。


灯狩人のマスティコア

5代目。後継機登場のスパンが急に短くなってきた。

 

多元宇宙において圧倒的少数派のはずのプレインズウォーカー(以下PW)をわざわざ狩るために作られた謎のマスティコア。

誰がなんのために?いやマジで。

せめて登場次元がわかれば考察の材料になるのだが、基本セット2021出身のためそれもかなわず。

まあPWは様々な次元で恨みを買ってそうなので、痛い目にあわされたどこかの次元の現地人が復讐に燃えて作ったか…。

それかプレインズウォーカーが敵対するプレインズウォーカー打倒のために製作したのかも。

カード性能で目を引くのはやはりプレインズウォーカーへの殺意と、あとは現代で使われなくなった再生の代わりに手に入れた破壊不能付与か。

プロテクション(プレインズウォーカー)はハッキリ言って除去耐性としてほぼ機能しないフレーバー能力である。

単体除去の強いPWが幅を利かせる環境なら多少の強みになるのだろうが、本来スタンダードで同居する予定だった最強のPW《王冠泥棒、オーコ》は灯狩人のマスティコアが発売される前に禁止カードに指定されており、続く強PW《時を解すもの、テフェリー》灯狩人登場の1か月後に禁止指定された。

基本セット2021はオーコが登場したエルドレインの王権の1年後に発売されたセットなので、灯狩人の対PW特化型デザインにはオーコの影響があるのかもしれない。


アージェンタムのマスティコア

 

そして新セットで登場する最新機がこのカードだ。

イラストの構図は初代マスティコアを、ボディサイズや先制攻撃は剃刀毛のマスティコアを連想させる。

アップキープの手札コストをただのデメリットにするのではなく、除去能力に変換する発想の転換が面白い。

このカードを強く使うには彼を数ターン戦場に維持する必要があるのだが、除去耐性のプロテクション(多色)は正直かなり心許ない。

何しろ現スタンの既存カードには優秀な単色除去が山ほど存在する。《アージェンタムのマスティコア》が収録される"完全なる統一"でも、多くの新除去カードが発表されている。

だが私は除去耐性についてそこまで悲観していない。

現代MTGにおける最大の除去対策は「マナコスト順に殺意の高いカードを連打していき、相手の除去が切れたタイミングで4マナ、5マナの狂カードを投入する」だからだ。

ミッドレンジ天国ここに極まれり。

2マナや3マナのカードも殺意を備えたインフレ時代のやり方である。

 

現スタンには《ブランチウッドの鎧》や、森生物を生み出す《森林の目覚め》が存在するため、この新マスティコアと合わせて現代風黄昏ミミデッキを作ってみるのも面白いかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

温泉を汚染せよ【ふくれた汚染者】 新セット注目カードについてだべりたい

ここ数年、新セット発売の度にクリーチャーのマナレシオの良さに驚いている気がする。

今回もマナ総量に対してパンパンにふくれたボディの持ち主が現れた。

【ふくれた汚染者/Bloated Contaminator】くん、どうぞ。

 

MTGの歴史において

・緑単色

・素のパワー、タフネスが共に4以上

・デメリット能力を一切持たない

これらの条件を満たすカードは以下の3種類のみだった。

すべてトリプルシンボルのカードである。

ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ》(これも緑トリプルシンボル)を考慮したとしても4枚だ。それがいきなり段階を越えてシングルシンボルの3マナ4/4が現れた。

マナレシオの良さなんて現代クリーチャーじゃ当然のことなんだから、もう一々驚かないぞ~とつい先日までは考えていたが流石にビックリ….。

《税血の収穫者》《死体鑑定士》、そして未強化状態の《策謀の予見者、ラフィーン》を一方的に打ち取ることのできるサイズは頼もしい。トランプルで《婚礼の発表》のトークンを気にせず攻められるのもグッドだ。

緑デッキが本来の持ち味だった肉弾戦の強さを見せられる時がくるだろうか。

タフネスが膨れすぎて《邪悪を打ち砕く》のターゲットになってしまったのは秘密。

 

そして次に注目するのは攻撃成功時の増殖誘発能力。

この《このふくれた汚染者》単体で毒カウンターを2個与えられることになるが、それだけでは相手を倒すのに5回もの攻撃が必要になる。遂行速度は相手のライフ20を0にするのと変わらない。

他の毒性持ちカードと共に攻めるのもいいが、せっかくだからこの豊満なボディを活かせる方向で増殖能力を活用したい。

 

何か…何か相性のいいカードはないか…

《ふくれた汚染者》に更なる爆発力と増殖の活用先を与えてくれるカードは…

 

 

 

 

あった。

 

神河の名湯《活力の温泉》だ。

 

この温泉の効能により、《ふくれた汚染者》は着地時の隙を埋めると共に5/5の状態で殴っていける。

攻撃に成功したら増殖が誘発、自身は6/6へと更に膨れ上がり、温泉自身に乗っている+1カウンターも補充することができる。風呂上り後のビールやミルクコーヒーなどなまぬるい。風呂上りには増殖こそが極上の快楽だ。

増殖は英雄譚のカウンターやプレインズウォーカーの忠誠度も増やすことができる。

キキジキやニッサと共に湯につかるのも悪くない。

 

完成化した新ニッサ。たとえΦ堕ちしても温泉を愛する心は変わっていないはずだ。

 

《ふくれた温泉者》と化した汚染者を止められるものはもはや存在しない。

《轟く雷獣》など他の改善シナジーカードと共に、新Φのクサレを洗い流し神河の湯の素晴らしさを啓蒙しに行こう。